あなたが就職先を決める時に最も大切にすることはなんでしょうか。
勤め先を考える際には、給料、勤務地、勤務体系、企業の規模、仕事の内容、職場環境など、様々な要素を検討することになります。
しかし、全ての希望を実現できる企業と出会うことはなかなか難しいものがあります。
そこで、就職先を考える際の1つの材料として、〈大企業・中小企業〉という「企業の規模」に注目しながら、仕事に対する自分の希望が可能な限り叶えられるのかを考えます。
この記事では、「中小企業が日本経済でどんな役割を持っているか」を念頭に、
・中小企業の99%・80%・50%という現状
・中小企業のパターン(系列・下請け・ベンチャー・地場産業)
の順で、中小企業を体系的に整理します。
「中小企業=小さい会社」で終わらず、日本経済の二重構造や働き方の選択までつなげた理解を目指します。
【中小企業の定義(中小企業とは):業種・従業員数・資本金で判断する】
自分で興味がある企業を1つ選びましょう。
そして、その企業の「業種(事業の種類)」と「従業員数(働いている人の数)」と「資本金(会社を作るときの元手)」を予想しましょう。
〈中小企業基本法とは〉
日本では、大企業と中小企業の区分けを中小企業基本法という法律で決めています。中小企業になにか制度を適用する、などの時に区分けを決めておくことで明確に適用できるようになるため、大企業と中小企業は分けておく必要があります。
〈中小企業の判断基準〉
また、区分けのポイントは「業種」と「従業員数」と「資本金」です。
従業員数や資本金は企業のホームページなどに記載されているので、興味のある人は調べてみましょう。
なお、大企業と中小企業の区分けは「業種」によって異なります。
例えば、小売業という業種の場合は、従業員数が50人以下、資本金が5000万円以下のどちらかを満たした場合に中小企業となります。
①製造業・その他…従業員300人以下/資本金3億円以下
②卸売業…従業員100人以下/資本金1億円以下
③サービス業…従業員100人以下/資本金5000万円以下
④小売業…従業員50人以下/資本金5000万円以下それぞれの業種で、従業員数と資本金のどちらかを満たした場合に、中小企業として扱われます。
自分の興味のある企業が、①~④にあてはまったら中小企業ということになります。
【中小企業の地位と現状:「99%・80%・50%」でおさえる】
〈中小企業の「事業者数」・「従業者数」・「製造業出荷額」〉
中小企業の現状を確認しましょう。ポイントは「99%」「80%」「50%」という3つの数字です。
「99%」は中小企業の事業所数を表します。
つまり、日本企業の99%は中小企業ということです。
「80%」は中小企業の従業者数を表します。
つまり、5人のうち4人は中小企業で働いていることになります。
「50%」は中小企業の製造業出荷額を表します。
製造業出荷額は、製造業での売上だと思って下さい。つまり、大企業と中小企業は会社の数も従業員の数も大きな差があるのに、売上の大きさはあまり変わりません。
そのため、中小企業は「企業数は多いが、もうけは少ない」という現状があります。
〈日本経済の二重構造とは〉
そして、このような状況なので、現在の日本は大企業と中小企業との間で様々な面に格差が見られるとされ、日本経済の二重構造と表現されます。
また、見られる格差も資本装備率(労働者1人あたりの資本量)、労働生産性(労働者1人あたりいくら儲けたか)、給料など、多くの面で格差が見られます。
当然ですが、一般的に大企業のほうが給料が高いのが現状です。
このように、地位だけを見ると大企業のほうがいいと思ってしまうかもしれませんが、なかには意図的に中小企業で働く人もいます。
では、中小企業のメリットは、なにがあるのでしょうか。
〈※参考:中小企業のメリット・デメリット〉
また、人数が少ないため、仕事の流れが見えやすく、承認の人数も一般的に少ないとされます。そのため、アイデアを実現するなどのスピード感は中小企業のほうが速いと言われます。
そして、中小企業は企業が1つのみの場合が多く、転勤や異動が少ないとされます。大企業の場合は全国展開している企業などの場合、異動も全国が視野に入ってきます。
もちろん、中小企業にもデメリットはあり、給与面やネームバリューの弱さ、人手不足の可能性の高さなどが想定されます。
では、あなたは、大企業と中小企業のどちらに向いているのでしょうか。
【中小企業の種類:系列・下請け・ベンチャー・地場産業】
一口に中小企業と言っても、いくつかの種類があります。
大企業とつながる企業もあれば、独自の技術で成長する企業、地域に根ざす企業もあります。
ここでは、中小企業の種類を整理します。
〈系列と下請け:親企業とのつながりがあるかどうか〉
代表的なものが系列と下請けです。
親企業と呼ばれる中心的な企業と技術や資金などの面でつながっている場合を系列、つながっていない場合を下請けと言います。
特に下請けの場合、親企業と関係がないため、
景気が悪くなると下請け企業に仕事を回さなくなり、下請け企業を切り離そうとします。この動きを景気の安全弁と呼びます。
(安全弁とは、危険な状態になることを事前に防ぐものを指します。)
これが、大企業が安定・中小企業が不安定と呼ばれやすい理由の1つですね。
〈ベンチャー企業:少ない資本+高い技術〉
ところが、系列や下請けのような一般的な中小企業に就職せず、自ら企業を作ってしまおうという発想も出てきました。
そのような企業は少ない資本ながらも独自の高い技術を持っているために成長していくことも多く見られます。
このような、近年増加している独立企業をベンチャー企業と呼びます。
ベンチャー企業は少ない資本で高い技術を持つことが重要だと言われています。
〈地場産業:地域に根ざす企業〉
さらに、近年は地域活性化が叫ばれるようになり、地元を盛り上げたい思いから地域密着の企業も出てきました。
このような地元という場所で企業が行う産業を地場産業と呼びます。
中小企業の種類も多様化している現在、あなたはどのような企業に就職するのが良いのでしょうか。