1-4.【要点まとめ】 権利獲得の経過と法律を考える際の3つの前提について

【「自由権→参政権→社会権」の枠組み】

社会契約説になった世の中で話し合われた内容は「自由について」です。

最初は、国家からの自由を実現することで人々が自由になれると考えたわけです。この「国家からの自由」を獲得した権利を自由権と呼びます。

ただし、自由だけを重視すると生活が成り立たなくなる人が出てきてしまったため、選挙という形で政治へ参加することで自由と生活を保障してもらおうと考えました。
このように、選挙を通して政治へ参加する権利を参政権と呼びます。選挙を通して「国家への自由」を主張するという形です。

その後は主張した意見を実際に国に実施してもらうことの実現を目指しました。それを実現する権利を社会権と呼びます。国家による自由とも表現されます。
(初の社会権の導入は1919年:ドイツのワイマール憲法だとされます。)

 

ポイントは、自由権→参政権→社会権の順で、個人と国家の関わりが大きくなっていった、という点です。

 

【法律の3つの前提(法の支配/立憲主義/自然権と基本的人権の遵守)】

 社会権は、具体的に法律を作ることで守っていこうと考えました。そこで、法律の3つの前提が必要になります。

法律の3つの前提のうち、1つは「法の支配」です。(エドワードコークという人が「コモン・ロー」という言葉で表現しました。)
法の支配とは、「政治権力を法で縛る」という意味です。大事なのは「法律で国民を縛る」のではなく、「国民の自由と権利を擁護するために法で権力を縛る」という点です。憲法などはまさしくこの発想で動いているため、国会議員や公務員などは憲法を尊重する義務があるとされています。

ちなみに、法の支配の対義語に「人の支配」という言葉があります。これは、「権力者が法に縛られない」という発想です。もっと単純に言うと「王様が国民を縛る」という意味です。

なお、法治主義という言葉もあります。法の支配と若干異なりますが、「行政を法律でコントロールするが、法の内容は問われない」のが法治主義の特徴だとされます。

 

2つめの前提は「立憲主義」です。政治は憲法に基づいて行われる、という意味です。もう少し具体的に表現すると「国家が権力を使うときは憲法で制限される」と思ってください。「国家が使える権力」とは、法律の制定のことです。つまり、人々が作る法律は憲法を超えてはならない、ということですね。

 

そして、3つめは「自然権基本的人権の遵守」です。自然権は「人のものを盗んではいけない」など、人が生まれながらに持つ権利を指します。また、基本的人権は「財産権の保障」や「職業選択の自由」など、人間にとって必ず必要とされる基本的な権利を指します。当然ですが、これらのような、個人の人権について不当に制限するような法律は(民主的な決定であっても)ダメだとされています

 

「法の支配」(法律が国家を縛ること)と「立憲主義」(憲法の範囲内で政治が行なわれること)と「自然権と基本的人権の遵守」(故人の人権を不当に制限しないこと)の3つが法律の前提となります。

 

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