現実の社会で合意形成を実現していくための方法として、社会契約説が考えられます。
【社会契約説の前提】
社会契約説とは、ざっくり簡単に言うと話し合いのことです。
社会契約説は前提として「個人を尊重すること」、「自然権を保障すること」の2つが考えられています。この2つが崩れたら、話し合いが成り立たなくなるということです。
ちなみに、自然権とは「誰かを殺してはいけない」「誰かのものを盗んではいけない」など、人として持っている当たり前の権利を指します。社会契約説については、大きく3人の人が提唱しました。
【ホッブズの社会契約説】
1人目はホッブズという人です。ホッブズは、話し合いをすると意見が割れて人々が揉めてしまうと想定しました。そのため、物事を決定する権利を全てリーダーや担任にゆだねるのが良い、と考えました。
この発想をホッブズは「自然権を譲渡する」と表現しました。そして、ホッブズはリーダーに委ねるため、結果的に絶対王政を擁護することにつながりました。
【ロックの社会契約説】
2人目はロックという人です。ロックは、グループの代表者どうしが話し合って決めるのが良いとしました。この発想をロックは「自然権の一部を信託する」と表現しました。
ちなみに、代表者による話し合いで物事を決めたとしても、最終的に判断するリーダーが誤った判断をすることも考えられるでしょう。その場合は、人民は抵抗権(革命権)を行使することによって、リーダーを交代させることができるとしました。
【ルソーの社会契約説】
3人目はルソーという人です。ルソーは、参加者全員が直接話し合うのが重要だと考えました。そうすることで、そこに集まっている集団の本当の意見がまとまるだろうと考えたわけです。この時の集団の本当の意見を一般意志と呼んで重視しました。
ちなみに、集団全体ではなく、全員の個々の意見を尊重する状態を全体意志と呼び、批判しました。(なお、個々が持つ意見を特殊意志と呼び、特殊意志の総和を全体意志と呼びました。)
なお、ロックのように誰かを間にはさんで意見を述べる発想を間接民主制と呼び、ルソーのように自ら直接話し合う発想を直接民主制と呼びます。(現在の日本は、選挙という形で間接民主制を実施させています。)