7-7. 世界平和の実現に近づくために、世界ができることとは(軍縮への取り組み)

【世界平和を邪魔している要因はなにか】

世界平和の阻害要因は、なんなのでしょうか。

 

世界平和を邪魔している要因の1つに「世界に武器があることなのではないか」と言われています。

もし、この内容が真実だとしたら、武器をなくしていくことが目指す方向性ということになりますね。

しかし、実際に武器を使用して戦争や紛争、貧困に巻き込まれている当事者は「どうすれば武器をなくすことができるか」などとゆっくり考えている余裕がありません。

そのため、「先進国(日本など)の、知識の獲得や勉強ができる人が武器をなくすことに貢献していく」ことが大切なのではないかと言われます。

 

ちなみに、世界で武器を減らすとして注目されるのは「核兵器廃絶」と「軍縮」です。

 

【核兵器廃絶の方法検討】

核兵器廃絶のために日本は何ができるのでしょうか。

 

様々な回答が考えられますが、1つは、「声をあげる」という発想です。

核兵器廃絶をアピールしていかないとなかなか廃絶に向かわないという話です。

その方法として、
ストックホルムアピールと呼ばれる5億人の署名活動、
原水爆禁止世界大会の第1回大会の広島での開催、
パグウォッシュ会議と呼ばれる、ラッセルやアインシュタインなどの科学者が参加する会議の開催など、各地で声をあげる活動が見られています。
(パグウォッシュ会議を受けて、ラッセル・アインシュタイン宣言が出ています。)

 

もう1つは、「組織が動く」という発想です。

国連では、国連軍縮特別総会が開催され、軍縮に向けて動き出しています。

 

【核兵器廃絶へ向けたルール】

核兵器廃絶へ向けて声をあげるだけでなく、核兵器廃絶へ向けたルール作りも大切です。

なお、ルールに関しては「世界各国」と「米ソ間」のそれぞれで確認する必要があります。(「米ソ間」にも注目する必要があるのは冷戦の影響です。)

 

世界各国では、最初に「部分的核実験禁止条約(PTBT)」が制定されました。
ただし、この条約は「部分的」です。(実際に、地下での核実験はOKとしています。)

そこで、核実験禁止の範囲を拡大させました。それが「包括的核実験禁止条約(CTBT)」です。
この条約で核爆発実験の禁止を決めたのですが、未臨界核実験(核爆発一歩手前までの実験)はOKというルールになっています。

これらのルールにもツッコミどころはありそうですが、ポイントは条約に不参加の国があるということです。
PTBTは核保有国であるフランスや中国が不参加です。CTBTにいたっては、アメリカ、中国、インド、北朝鮮などが条約を批准していません。

 

なお、部分的と包括的の間には「核拡散防止条約(NPT)」があります。

この条約では、国連の常任理事国5か国(米英仏ロ中)に核保有を認める代わりに、核を持っていない国が新たに核を保有することを禁止しました。

さらに、核拡散防止条約では、核を持っていない国はIAEAの査察を受け入れる義務があります。

ちなみに、NPTについては、1970年から25年間という期限がありましたが、1995年に再検討会議が行われ、条約の無期限&無条件の延長を決定しています。(なお、昔のIAEAの事務局長は天野之弥さんという日本の方でした。)

 

また、米ソ間では、最初に「戦略兵器制限交渉(SALT)」が制定されました。

この交渉では、「核弾頭の運搬手段数」を制限しました。

なお、SALTはSALTⅠとSALTⅡの2回あり、1回目は米ソの両方が批准していますが、SALTⅡはソ連のアフガニスタン侵攻を理由に、アメリカが批准していません。

 

ただし、この交渉はあくまでも「制限」です。そこで、「制限」から「削減」へと大きく進歩させました。

これを戦略兵器削減条約(START)と呼びます。

この条約で、「核弾頭数」を削減しました。

また、STARTもSALTと同じようにSTARTⅠとSTARTⅡがあります。STARTⅠは核弾頭を一定数削減し、STARTⅡは核弾頭の削減数を増加させようとしましたが、STARTⅡは実現しませんでした。

これは、STARTⅡの発行の前に同時多発テロが起きてしまい、アメリカが軍拡に向かってしまったためだとされます。

そのため、同時多発テロの翌年2002年に、モスクワ条約という条約を作り、STARTⅡの代用として機能させました。

 

さらに、2009年にSTARTⅠが失効することを受け、2010年に新STARTが発効され、モスクワ条約以上の核軍縮が目指されました。
(この時に調印したアメリカ大統領がオバマでした。オバマは、「核なき世界」という演説を行い、ノーベル平和賞を受賞しています。)

 

なお、SALTとSTARTの間には「中距離核戦力(INF)全廃条約」があります。

核弾頭を外すという形で中距離ミサイルの初の全廃を目指しました。ただし、あくまでも核弾頭を「外す」だけで廃棄まではしていません。

 

つまり、世界全体の核軍縮は「部分的核実験禁止条約(PTBT)→核拡散防止条約(NPT)→包括的核実験禁止条約(CTBT)」と展開し、

米ソ間の軍縮は「戦略兵器制限交渉(SALT)→中距離核戦力(INF)全廃条約→戦略兵器削減条約(START)→新START」と展開しています。

 

このように、核兵器廃絶へ向けたルールのポイントは、廃絶を規定する範囲が徐々に拡大している、という点です。

 

はたして、今後の世界は兵器を0にしていくべきなのでしょうか。
それとも、兵器を0にしていかないべきなのでしょうか。

もし「兵器を0にすべき」という場合、「他の国から攻められるかもしれない」という批判になんと返すのがよいのでしょうか。

もし「兵器を0にしないべき」という場合、「兵器があると平和を維持できない」という批判になんと返すのがよいのでしょうか。

 

そして、平和のために日本ができることはなんなのでしょうか。

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