6-8.【要点まとめ】 日本の社会保障制度の4本柱について

【社会保障制度とは】

日本では、国で様々なリスクや困窮に対して保障してくれる制度が大きく4つ存在します。
その制度が社会保険/公的扶助/社会福祉/公衆衛生の4つです。

 

【社会保険について】

日本では、日本社会全体で支える保険制度が誕生し、社会保険と呼ばれました。ちなみに、社会保険は1960年代初頭に日本国民全員が加入することになり、国民皆保険と呼ばれました。(このときに年金も日本国民全員が加入しているので国民皆年金とも呼ばれました。)

 

社会保険制度は全部で5種類あります。

1つめは医療保険です。(高齢者の医療費については、老人福祉法という法律によって無料化されていましたが、老人保健制度というしくみによって、一部負担が生じることとなりました。

2つめは年金保険です。(年金保険は高齢者になったときにもらえる老齢年金以外にも、障害を持ったときにもらえる障害年金と、親族が亡くなった場合にもらえる遺族年金の大きく3種類があります。)

3つめは労災保険です。仕事でケガをしたときに、保障してもらえます。

4つめは雇用保険です。仕事を失ったときなどに、保障してもらえます。

5つめは介護保険です。介護に対しての費用負担保障などがあります。

 

というわけで、医療・年金・労災・雇用・介護の5つの社会保険を活用することで、生活に困らないようにしていくのが日本の現状です。

ちなみに、社会保険の費用負担は「政府・事業者・被保険者」の3者となっています。

ただし、介護保険については、事業者は関係ないため、「政府・被保険者」で費用負担をすることになっています。

また、労災保険はケガをさせる職場環境を提供している事業者の問題であるということから「事業者のみ」が費用負担することになっています。

つまり、介護と労災以外の医療・年金・雇用の3つの保険は「政府・事業者・被保険者」の3者で負担することになっています。

 

【公的扶助について】

扶助とは「力を添えて助けること」なので、公的な仕組みが力を添えて生活が難しい人を助けるのが公的扶助ということになります。ちなみに、公的扶助を実施する際の根拠となる法律を生活保護法と呼びます。つまり、生活ができなくなった人の対策として生活保護制度が使えるということになります。

 

生活保護では、全部で8種類の扶助が用意されています。

1つ目は「生活扶助」です。水道光熱費や通信費、食費など日頃の生活を過ごしていくのに必要となるお金を毎月もらえます。ただし、これには家賃が含まれていません。

そこで、2つ目が「住宅扶助」です。家賃は生活扶助と別途もらえます。

3つ目と4つ目が「医療扶助」と「介護扶助」です。医療サービスや介護サービスを受ける場合、生活保護で全額負担してもらえます。(病院で薬代や入院代などを含めた費用を一切支払う必要がないということです。)

5つ目が「教育扶助」です。18歳未満の子どもが確実に教育を受けられるようにするための扶助です。

6つ目は「生業扶助」です。受給者の技能習得や就労支援に必要となる費用などを負担してもらえます。

7つ目に「出産扶助」というのも存在します。諸事情により出産に関する費用を使うことは十分に想定されます。そして、出産があれば死亡もあるわけですね。

よって、8つ目が「葬祭扶助」となります。生活保護の制度を使って最期を見届ける、ということもあり得ます。

このように、生活保護は「生活・住宅・医療・介護・教育・生業・出産・葬祭」の全8種類あり、受給者の出産から死亡まで、生活の全てを自治体で扶助することになっています。

そして、生活保護の費用は当然ですが全額公費となっています。
ただし、生活保護の目的はあくまでも「健康で文化的な最低限度の生活を保障」することです。
そのため、本人に資産や稼ぐ能力がある場合は受給が難しくなります。
また、親族の扶助で足りてしまえば生活保護を使う必要はありません。つまり、生活保護は親族扶養義務が優先されることになります。

 

【社会福祉と公衆衛生】

社会保険と公的扶助以外の社会保障として、社会福祉公衆衛生があります。

社会福祉は、社会全体としての幸福度を高める政策を指します。日本は福祉六法を制定し、福祉六法の対象者を福祉事務所が中心に支えることで社会福祉を実現させようとしています。六法の対象は「①児童/②老人/③身体障害/④知的障害/⑤生活保護/⑥母子及び父子並びに寡婦(子供が成人した母子)」となっています。

 

なお、社会福祉のサービスの決定は「措置制度→利用契約制度へ」移行しています。

今までは社会福祉サービスを行政が決定していましたが、近年は自らがサービスを決定するようになっています。行政が決定する場合を措置制度と呼び、自らがサービスを決定する場合を利用契約制度と呼びます。

 

また、公衆衛生は、人々の生活環境や医療体制などを充実させていく政策を指します。担当は保健所で、コロナ対応などは公衆衛生の範囲になります。

 

このように、社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生の4本柱で、日本の社会保障が構成されています。

 

【※参考:社会保障の財源の2パターン】

社会保障の財源は大きく2つあります。1つは税金で、もう1つは社会保険料です。社会保障の財源についてヨーロッパを例に考えた場合、税金を中心とする場合を英・北欧型と呼び、社会保険料を中心とする場合を大陸型と呼びます。(大陸型はドイツやフランスなどを指しますが、ヨーロッパ大陸の中心にある国々なので大陸型です。)

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