2-13.【要点まとめ】 日本の「平和」の論点(有事法制・海外派遣・砂川事件・集団的自衛権)

※要点まとめでは結論だけ最短で確認できます。理由や具体例まで理解したい方はこちら(講義編)をご覧ください。
※平和主義の基本について理解してから読み進めたい方はこちら(「9条・自衛隊・日米安保」の基礎を確認)をご覧ください。

 

【有事法制について】(周辺事態→地理的制限の変化/3法と7法)

有事法制とは、「自分の身の危険についてどのように対処するか」を考えたものです。

有事法制の範囲は「日米安保共同宣言」と呼ばれるものでアジア太平洋地域に拡大しました。

また、ガイドライン関連法という法律によって、自衛隊は「有事の場合のみ対応」だったものが「周辺事態(日本の周辺地域)までOK」となりました。
(ガイドライン関連法の中心になる法律を周辺事態法と呼びます。)

なお、周辺事態のルールは2015年に撤廃され、地理的制限がなくなりました。

 

また、有事法制については具体的に法律として規定されています。

1つは、有事法制関連3法です。これは有事の際の基本方針を示しています。

また、もう1つは、有事法制関連7法です。これは有事の際の具体的な動きを示しています、

 

【自衛隊の海外派遣について】(PKO協力法が土台/派遣≠派兵/根拠法で整理)

自衛隊はどのような内容でどこまで活動してもよいのでしょうか。
(なお、自衛隊は派遣であり、「派兵」ではありません。

また、前提としてPKO協力法という法律があり、PKOに協力する際のルールが決められています。

自衛隊の活動内容について、まず、テロの対処については「テロ対策特別措置法」が規定されているので、テロの対処は可能です。

また、戦争の対処については「イラク復興支援特別措置法」が規定されているので、戦争の対処も可能です。

さらに、海賊の対処については「海賊対処法」が規定されているので、海賊の対処も可能です。

そして、安全保障関連法を皮切りに「国際平和支援法」が成立し、後方支援が随時可能となりました。

つまり、自衛隊は「テロ/戦争/海賊/世界平和」と、かなりの部分で派遣できるという話です。

 

【ポイント】
・自衛隊の活動範囲については、地理的制限がなくなった
・自衛隊の海外派遣は「テロ/戦争/海賊/世界平和」を目的に派遣できる

 

※国際の基礎として「国連と安全保障」について理解してから進めたい方はこちら(世界の平和と安全のために、国際連合は何をしてくれているのか(国際連合と安全保障))をご覧ください。

 

〈※参考:テロ対策特別措置法とイラク復興支援特別措置法の具体的内容について〉

テロ対策特別措置法は、海上自衛隊のアメリカとイギリスの後方支援を認めた法律になります。
この法律はアメリカ同時多発テロの発生した2001年に制定されましたが、2007年に失効しています。
また、2008年に新テロ特措法として復活していますが、結局2010年に失効しました。

また、イラク復興支援特別措置法は、2003年に陸上自衛隊と航空自衛隊の派遣を認めています。
しかし、この法律については2008年に名古屋高等裁判所が違憲判決を出しており、実際に2009年に自衛隊は撤収をしています。

 

【日米安保体制と米軍基地】(砂川事件と統治行為論)

判例として、砂川事件(在日米軍は憲法9条違反であるとして在日米軍基地の拡大に反対した事件)があげられますが、判決は在日米軍に対して「統治行為論」が出されました。
統治行為論とは「高度に政治的な内容については、違憲審査の対象にならない(=司法での判断を回避する)」という考え方です。

つまり、米軍基地は(裁判所では違憲かどうか判断できないため)現状では違憲扱いにならないとされています。

 

【日本の安全保障の今後】(集団的自衛権)

日本は集団的自衛権を認めています。

集団的自衛権とは、同盟関係にある国が攻撃されたときに自分も攻撃する権利を指します。

一部の人達は「集団的自衛権は憲法9条に違反するのでは?」という疑問を抱くかもしれませんが、現状の日本は「集団的自衛権は自衛権の範囲を超えず、実力で阻止しているため、戦力にあたらない」と解釈しています。

ちなみに、戦後の日本は「集団的自衛権は自衛権の範囲を超えた戦力である」として憲法9条に違反するという立場から集団的自衛権を認めてきませんでした。

つまり、現状の日本は昔から考えられてきた憲法の解釈を変えることで合憲扱いにしています。
(これを解釈改憲と呼びます。)

 

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