国際連合は「平和と安全の維持」が目的です。
そこで、安全保障理事会以外に、どのような方法を用いて国際の平和と安全の維持をしていく必要があるのでしょうか。
方法の1つとして、専門機関や連携機関を活用することがあげられます。
新型コロナウィルス感染症が流行した時は、世界保健機関(WHO)が活躍しました。このような機関と連携していくことが今後も考えられます。
(他には、国連世界食糧計画(WFP)/ 国際労働機関(ILO)/ 国連児童基金(UNICEF) / 国連環境計画(UNEP) / 国連教育科学文化機関(UNESCO) など、非常に多くの機関があげられます。)
そして、特に近年注目されているものにSDGsがあげられます。
【国際連合とSDGs】
そもそも、SDGsとはなんなのでしょうか。
SDGsとはSustainable Development Goalsの略です。「Sustain」が持続、「able」が可能なので、Sustainable(サステナブル)は持続可能、「Development」が開発、「Goals」が目標なので、「持続可能な開発目標」となります。
また、目標は全部で17あります。さらに、目標の下に169のターゲットがあります。(ただし、169のターゲットは細かすぎるので、17の目標に注目します。)
そのため、17の目標を実現させていくことになります。
1.貧困 (貧困をなくそう)
2.飢餓 (飢餓をゼロに)
3.健康と福祉 (すべての人に健康と福祉を)
4.教育 (質の高い教育をみんなに)
5.ジェンダー (ジェンダー平等を実現しよう)
6.水+トイレ (安全な水とトイレを世界中に)
7.エネルギー+クリーン (エネルギーをみんなにそしてクリーンに)
8.働きがい+経済成長 (働きがいも経済成長も)
9.産業+技術革新 (産業と技術革新の基盤をつくろう)
10.不平等是正 (人や国の不平等をなくそう)
11.まちづくり (住み続けられるまちづくりを)
12.製造と使用 (つくる責任つかう責任)
13.気候変動 (気候変動に具体的な対策を)
14.海の豊かさ (海の豊かさを守ろう)
15.陸の豊かさ (陸の豊かさも守ろう)
16.平和+公正 (平和と公正をすべてのひとに)
17.パートナーシップ (パートナーシップで目標を達成しよう)
これらの目標を達成するために必要なことはなんなのでしょうか。また、私達ができることはなんなのでしょうか。
これらについて分析をするために、必要となる視点があります。それは「誰も取り残さない」という視点です。
そのために、必要なものの1つが「人権」です。
そこで、人権について改めて考えます。
【国際連合と人権】
国際連合は人権について、国連人権委員会(現:国連人権理事会)というところが担当していました。
また、関与の例としては、アパルトヘイトの廃止が代表例としてあげられます。
さらに、国際連合の第3回総会で人権について話し合いが行われ、世界人権宣言が採択されました。
ところが、世界人権宣言はあくまでも「宣言」にすぎません。そこで「宣言」を「規約」に変えることとしました。この規約を国際人権規約と呼びます。
つまり、世界人権宣言は法的拘束力がなく、国際人権規約は法的拘束力がある、という違いがあります。
なお、世界人権宣言の前には、アメリカのローズベルト大統領が人権について「4つの自由」を提唱しています。(①言論と表明の自由/②信教の自由/③恐怖からの自由/④欠乏からの自由)
【国際人権規約の2つの規約(内容)】
国際人権規約の内容は、A規約とB規約の2つだとされます。
(ちなみに、A規約もB規約も「民族自決」が前提です。)
A規約は「経済・社会・文化に関する規約」で、B規約は「市民・政治に関する規約」です。
なお、B規約には2つの選択議定書(条約を補完するためのもので、各国の判断で批准できる)があります。
第1は、「B規約を自国政府が侵害した場合に、被害者個人が規約人権委員会という組織に救済を申し出できる」という内容です。
第2は、死刑廃止条約です。ただし、現在も死刑制度が残る国もあり、死刑廃止の是非が問われています。
はたして、死刑制度はなくすべきでしょうか。存続させるべきでしょうか。
日本の最高裁判所は死刑を「憲法の身体の自由にある残虐刑にはあたらない」として合憲としていますが、世界は死刑廃止条約(100カ国以上)が制定されています。
日本は国際人権規約でうたわれた「祝祭日の給与」、「公務員の争議権」の2点を留保(パス)しています。なお、以前は「高等教育の無償化」も留保していましたが、現在は留保を撤回しています。
【国際連合の課題(国連改革の議論)】
国際連合にはいくつかの課題があるとされています。
1つは、「財政難」である点です。
国際連合を運営していくために各国が分担金を支払うことになっているのですが、この分担金が滞納されていることによる財政難が課題だとされています。(日本の分担金の割合は約9%です。)
また、「安全保障理事会の改革」も課題としてあげられています。
例えば、GDPが上位に来る日本やドイツは常任理事国に入っていないのですが、それでいいのか?などです。
さらに、「職員の偏り」も問題視されています。
このような様々な課題を抱えながらも、国際連合は多くの努力を行っています。
はたして、SDGsを1つでも多く達成するために、われわれができることはなんでしょうか。