日本国憲法では、政治に参加する権利を参政権として保障しています。
では、具体的にどうやって政治に参加する権利を保障しているのでしょうか。
政治に参加する方法としては選挙が一般的ですが、それ以外に参加する方法はなにが考えられるのでしょうか。
【参政権の内訳】
参政権は間接民主的なもの(物事を選ぶ代表者を決める)と直接民主的なもの(国民や住民が直接物事を決める)に分かれます。
間接民主的なものは1つだけで、「公務員の選定」です。ここでいう公務員は市役所や県庁などで働く公務員ではありません。ここでいう公務員は地方議会の議員などだと思って下さい。あの人達も公務員の一種として扱われます。議員の選定は、間接民主的な側面が強いですね。
一方、直接民主的なものは大きく3つに分かれます。
1つめは、「最高裁判所裁判官の国民審査」です。
国民が衆議院議員選挙の時にクビにしたい裁判官がいた場合に投票用紙に×をつけ、過半数の×が集まったら最高裁判所の裁判官をクビにできるシステムです。ところが、実際に投票すると分かりますが、どのような基準で最高裁判所の裁判官に×をつけてクビにしたいかなんて正直分かりません。そのため、現在の日本では「国民審査での罷免例はなし」というのがポイントです。
2つめは、「憲法改正の国民投票」です。国民の過半数の賛成で憲法の一部が改正されますが、憲法改正は歴史上1度だけで「大日本帝国憲法→日本国憲法へ」というタイミングでしか発生していません。
なお、憲法改正の国民投票には、国民投票法という法律が制定され、18歳以上の日本国民に憲法改正の投票権が与えられることとなりました。
3つめは、「地方特別法の住民投票」です。その地方だけに適用される特別な法律を地方特別法と呼びますが、その地方特別法を作るかどうか検討する場合に住民投票が行われます。以前、大阪府を大阪都に変えよう!ということで投票が行われたことがありました。大阪都構想などは、住民投票の代表的な例だとされています。
これら3つの共通点は「国民が直接決めないと困るモノ」という点です。
つまり、「間接民主的では困るモノを直接民主的にしている」と思って下さい。
【※参考:住民投票の注意点】
住民投票については、2つのルールを注意しましょう。
1つめは、「住民投票を行うための条例制定が必要」という点です。
2つめは、「住民投票に法的拘束力はない」という点です。なお、法的拘束力が発生する場合は「その地域にのみの特別法をあてはめる場合」「市町村合併の是非」「リコールの判断」の3つのみだとされています。