【地方自治を考える際の前提(枠組み)】
地方自治とは、単純に「地方の政治」のことだと思ってください。
地方自治は、別名「民主主義の学校」と呼ばれます。(ブライスという人が表現しました。)
また、地方自治には「地方自治の本旨」という前提があります。
これは、「地方の本来あるべき姿」という意味です。
地方の本来あるべき姿は大きく「団体自治」と「住民自治」の2つに分けられます。
「団体自治」とは「地方公共団体がある程度独自の権限を持つべき」という考え方のことです。
(団体自治が考えられるようになった背景は、第二次世界大戦前は中央集権的だったというところが大きいとされています。そのため、戦前の大日本帝国憲法には地方自治に関する規定がありませんでした。)
また、「住民自治」とは「地方は地域住民の意思を尊重すべき」という考え方のことです。
地方自治の本旨=団体自治(地方の自主性)+住民自治(住民意思の尊重)
【地方自治における団体自治(基本と間接民主制・二元代表制)】
地方公共団体は二元代表制を採用しています。
二元代表制とは、「長も議会も両方を住民が決めている」という点がポイントです。
(国の政治の場合は、議員は国民が決めていますが、長(総理)は国民が決めずに議員が決めています。)
また、長が持つ権限で大きなものは「予算案や条例の提案と実行」です。
イメージとしては、「議会は国会/長は内閣」と考えると分かりやすいです。(内閣の長を国民が直接決めることができないなどの違いはありますが。)
ただし、地方議会にも独自の特徴があります。
まず、議会で話し合いをして決めた内容について、長は拒否権を発動することができます。
ところが、拒否権について議会が納得できない場合、議会は首長に対する不信任決議を出すことができます。
さらに、長は不信任決議が納得できないのであれば、議会を解散させる、ということも発動させられます。
つまり、長と議会の関係が上手くいかないと「議会への拒否権 → 長への不信任決議 → 議会の解散」という流れで最終的に議会の解散によって議員が全員クビになることも考えられます。
地方の議会は、これだけ長と議会が積極的にやり取りをする関係となっています。
【地方自治における住民自治(直接民主制の導入・直接請求権と住民投票)】
地方自治では、長や議会という代表者に集まって話し合ってもらうだけではなく、地域住民の意思を直接尊重するという考え方もあります。
そのため、地方自治では一部で直接民主制が導入されています。
直接民主制として大きく2つ権利があると思って下さい。
1つは「直接請求権」です。住民が地方自治に対して直接請求できる権利です。内容は、以下の表の通りです。

※参考:総務省ホームページより
この表を理解すれば終了なのですが、要点を確認します。
まず、直接請求の内容は「6つ」であることです。内容を確実につかみましょう。
また、請求者の署名は「50分の1」か「3分の1」のどちらかになることです。50分の1はイニシアティブ(国民発案)のとき、3分の1はリコール(解職・解散)が絡むとき、という違いです。
そして、請求先は「3種類」であることです。監査の場合は監査委員、投票が絡むものの場合は選挙管理委員会、その他は首長、というイメージです。
もう1つの直接民主制が「住民投票(レファレンダム)」です。
直接、住民の意見を聞きましょう、という発想ですね。
なお、住民投票には注目すべきポイントがあります。それは「その住民投票に法的根拠があるかないか」という点です。
なお、法的根拠がある住民投票は主に3種類で、「地方特別法の制定」・「市町村合併」・「リコールの是非」についてです。
これら3つの法的根拠がある住民投票以外は全て法的根拠のない住民投票になります。つまり、強制力がないということになります。
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