【内閣の前提(議院内閣制と役割)】
内閣が仕事をしていく上で大前提となるのが「議院内閣制」と呼ばれるシステムです。これは、「内閣の政治的基盤が国会にある」と表現されるのですが、簡単に言うと「内閣と国会は信頼関係があるので連帯責任を負う」というしくみです。
また、内閣の役割は「様々な政策の実行」とされます。政策を実行する権利を行政権と呼ぶわけです。
【内閣の構成・内閣総理大臣とは】
内閣は「内閣総理大臣」と「国務大臣」の2つの立場の人達で成り立っています。
内閣総理大臣は、内閣のリーダーのことです。ちなみに、内閣総理大臣の指名は国会の担当です。(総理の任命は天皇です。)
また、内閣総理大臣の指名のポイントは「国会議員の中から指名される」という点です。つまり、国会議員になれないと内閣総理大臣にはなれないというわけです。
【国務大臣とは】
また、国務大臣とは日本にある省のリーダーのことを指します。国土交通省のリーダーを国土交通大臣と呼び、文部科学省の大臣を文部科学大臣と呼ぶように、様々な国務大臣がいることになります。なお、2024年現在の国務大臣の定員は16人となっています。
なお、国務大臣には2つのルールがあります。1つは「内閣総理大臣が国務大臣の任命・罷免権を持つ」ことです。簡単に言うと、総理が16人を誰にするかを決めたりクビにしたりすることができるわけです。つまり、国務大臣を決めるのが内閣総理大臣の仕事の1つである、ということです。もう1つは「過半数は国会議員から任命する」ことです。逆に考えると、半分より少ない人数であれば国会議員でなくてもOKということになります。
【日本の行政組織について(日本の省庁と政務三役)】
現在の行政組織の特徴は2つです。
1つは2024年時点で「1府14省庁」体制である点です。1府は内閣府を指し、縦割り組織の調整を行うとされています。また、14省庁は文部科学省や復興庁などの省庁が全部で14あるという話です。(11の省と3の庁で構成され、①総務省/②法務省/③外務省/④財務省/⑤文部科学省/⑥厚生労働省/⑦農林水産省/⑧経済産業省/⑨国土交通省/⑩環境省/⑪防衛省と(1)デジタル庁/(2)復興庁/(3)子ども家庭庁の合計14省庁となっています。)
ちなみに、「省」と「庁」はなにが違うのでしょうか。省は各省のトップである国務大臣がリーダーであり、それぞれ独立している組織になりますが、長はあくまでも内閣府の一部に近い組織として扱われます。庁のリーダーは内閣総理大臣だとされるという違いがあります。
もう1つは「それぞれの省に政務三役が設置されている」という点です。大臣・副大臣・大臣政務官をまとめて政務三役と呼びます。(文部科学省なら、文部科学大臣・文部科学副大臣・文部科学大臣政務官の役がいるということになります。)なお、大臣政務官は、その省庁のNo.3を指します。
また、ポイントは、政務三役の設置に伴って「政務次官が廃止された」という点です。政務次官とは、政務三役が設置される前の大臣に次ぐ地位のことを指します。
【衆議院の内閣不信任決議】
内閣が仕事を進めていくと、上手くいかないことや、国民や国会を無視して内閣の都合のいいように仕事が進んでしまう可能性が出てくることが否定できません。そこで、内閣の様子を見て内閣がダメだと思ったら、衆議院から「内閣がダメである」として内閣不信任決議を出されることがあります。(不信任決議を出せるのは衆議院だけです。)
もし内閣不信任決議が出された場合、内閣は10日以内に内閣総辞職か衆議院の解散のどちらかを選ぶことになります。(なお、衆議院議員が解散となった後は必ず内閣総辞職となります。つまり、内閣不信任決議が一度出されてしまうと、内閣はどちらを選んでも結果的に総辞職にはなります。内閣は衆議院を解散させずに自ら総辞職を選んで終わるか、衆議院を解散させた後に総辞職となるかの違いです。)
ここでのポイントは、衆議院が内閣不信任決議を出すときは「衆議院議員である自分がクビになる覚悟を持ってでも不信任決議を出す」という点です。それくらい、内閣不信任決議は大きな話であるということです。
〈※参考:69条解散と7条解散〉