3-4. 働くことは本来は楽しいもの?(社会主義について)

人間とロボットの違いはなんでしょうか。

社会では、生成AIなどめまぐるしい技術の進化により、人間とロボットが共存する可能性も否定できなくなってきました。また、AIが人間の仕事を奪うかもしれないとも言われます。さらに、シンギュラリティと言われる、AIが人類を超える瞬間が近くに来ていると言われることもあります。(一部はすでに超えているのかもしれません。)

そんな中で、ロボットにはない、人間だけの特徴はなにがあるのでしょうか。

人間とロボットの違いを、社会主義から注目して考えます。

 

【社会主義とは】

社会主義マルクスという人が資本論という本で提唱しています。

マルクスは『資本論』で資本主義の矛盾を指摘しました。どういうことなのか考えるにあたり、1つ確認が必要となります。

人々はなぜ働くのでしょうか。

この質問については、「人々はなぜ働くのか」という令和元年度内閣府のアンケート調査があり、第1位は「お金のため」でした。また、第2位は「生きがいを見つけるため」、第3位は「社会の一員として務めを果たすため」、第4位は「自分の才能や能力を発揮するため」でした。なお、仕事が楽しいと感じる割合は約半数だそうです。多くの人は、お金のために働いているというわけです。

しかし、“なぜ働くのか”という質問自体に違和感を覚えた人もいるかもしれません。“なぜ働くのか”という質問は働くことを前提にしているからです。ライフスタイルや働き方が多様化している現代社会では、「働かずに家でダラダラする」という人や「働きたくない」という人があってもいいはずです。「お金を稼ぐ」という目的だけに注目すれば、働く以外にもお金を稼ぐ手段はあります。

はたして、人々はなんのために働くのが良いのでしょうか。

 

マルクスは、そもそも労働は「創造や連帯の喜びを得られるもの」だと考えました。つまり、働くことで喜びを見いだせると考え、それが人間らしさであると考えたわけです。

しかし、現在の資本主義では、労働者は自分の労働力(能力や時間)を商品として売り、資本家(経営者など)に労働力を買ってもらうことでお金を稼いでいる状況となっています。そのため、お金という対価のために資本家の言うことを聞いて働くことになり、結果的に「労働者が自ら能動的に労働に関わって、労働から喜びを得ることは難しい」と考えました。この状態をマルクスは「労働者が疎外されている」と表現しました。

つまり、働くことによる喜びを得られるのが労働であるにも関わらず、労働が苦痛になってしまうことは、人間らしくないのでは?と考えたわけです。

 

では、多くの労働者が幸せになるために、社会が最も重視すべきなのはなんなのでしょうか。

 

この質問に対しても、いろいろな解答が考えられますが、もし「政治/経済/法律/芸術」の4つのうちから選ぶとしたら、4つのうち、どれを重視すべきなのでしょうか。

 

【唯物史観の考え方】

「多くの労働者が幸せになるために社会が最も重視すべきこと」として、マルクスは唯物史観を提唱しました。

唯物史観とは「上部構造は下部構造(生産関係)が土台で決まる」という考え方です。と言われてもよく分からないので、もう少し考えましょう。

下部構造とは、経済活動などの物資的なものだとされます。また、上部構造とは、政治・法律・芸術などの精神的なものだとされます。そして、下部構造という土台が充実しないと上部構造は安定しないと考えました。

つまり、物質的なものが安定してこないと、精神的なものは安定してこない、という発想です。この考え方を唯物史観と呼びます。唯物史観にあてはめて「社会が重視すべきこと」を考えると、下部構造に該当する経済が最も大切だということになります。「マルクスはお金のために働くのは否定したんでしょ?」と思うかもしれませんが、マルクスは「お金が稼げること(経済)は前提であって政治・法律・芸術(精神的なモノ)を充実させるべき」だとしました。要は、「お金を稼ぐことだけを目的にしてはいけない」という考え方です。そのため、「社会主義」という経済システムで経済をガチガチに安定させる必要があり、それを踏まえて精神的なものを充実させていくべきだとしました。

タイトルとURLをコピーしました