3-7. 現在の日本の司法制度の新たな形とは(日本の司法制度改革について)

日本の司法については、大きな変革を迫られています。いくつかの制度改革を確認します。

 

【検察審査会制度】

検察は、罪を犯した疑いのある人を有罪にするよう裁判にかけます。(これを起訴と呼びます。)
ところが、検察の調査の段階で起訴する必要が無い(不起訴)と判断した場合、裁判にかけられず、犯人を追求することはありません。

そこで、検察が不起訴と判断した事案に対してくじで選ばれた市民が「本当に起訴しなくてよいのか?本当は起訴する必要があるのでは?」というように、検察の判断に対して起訴すべきかどうかを審査できる制度があります。
これを検察審査会制度と呼びます。

実際に検察審査会では、不起訴となった刑事事件を審査した場合、検察審査会で起訴相当であると2回判断された場合に強制起訴することになります。
その際に起訴する人を指定弁護人と呼びます。

 

【裁判員制度】

一般市民から選ばれた人達が裁判員として、裁判に参加する制度です。特徴が全部で4つあります。

1つめは、「裁判員6名+裁判官3名」であるという点です。

2つめは、「重大な刑事事件の第一審のみ」裁判に参加するという点です。

3つめは、裁判員は「有罪・無罪の決定」と「量刑に関して審理」するという点です。
(アメリカやイギリスの場合は陪審制と呼び、陪審員は事実認定のみ行って量刑までは判断しません。

4つめは、評決(裁判の判決)は「裁判官と裁判員各1名を含む過半数で決定」するという点です。

なお、裁判員制度の経験者は、「人生観が変わった、家族や友人に対する接し方に変化が生じた」など、良くも悪くも自分の人生に影響を与えると言われています。(緊張感、ショッキングな映像を常に見るなど、様々な経験があるため)また、司法や法律に詳しくない人達が入ることで、判決がゆがむ可能性も否定できないため、裁判はプロである裁判官に任せたほうがよいのでは?という意見もあります。

はたして、裁判員制度はやめたほうがいいのでしょうか、それとも継続すべきでしょうか。

 

【その他の司法制度改革】

まずは、法科大学院(ロースクール)の設置です。
法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)になるために通う大学院ですが、法科大学院に進学する人は決して多くないとされます。

他にも、法テラスの提供も注目されるようになりました。
一般の人々が弁護士に相談するのはハードルが高く、また費用の面でも心配になります。そこで、法テラスと呼ばれる気軽に弁護士に相談できるシステムが誕生しました。

 

また、裁判においても改革が進んでいます。

有名なのは裁判外紛争解決手続き(ADR)です。
ある事例に対して裁判で決めてもらおうとしたときに、裁判所がすぐに判断してくれるわけではありません。場合によっては結論を出すまでに年単位ということもあり得ます。そこで、裁判まで大々的にやらなくても小さな争いについては速やかに判断することで、より司法を身近にしようという取り組みです。
もし、実際に裁判として処理する場合も、裁判の前に情報を整理し、必要なポイントをまとめておくことでスムーズに効率よく裁判を進めることができます。
そのため、現在は公判前整理手続きと呼ばれる、事前の情報整理も行われています。このような裁判外紛争解決手続きや公判前整理手続きは裁判の迅速化を促すとされています。

また、被害者参加制度(被害者が裁判所で意見を述べるなどの形で参加する制度)の充実や公訴時効の廃止(重大事件に対して犯罪行為が終わった時から法律の定める期間が経過しても、犯人を処罰することができなくなる制度の廃止)など、様々な動きが見られています。

 

【少年事件と少年法】

少年事件とは、「14歳以上20歳未満の事件」のことを指します。(なお、18歳と19歳は特定少年という特別な扱いになり、17歳までと取り扱いが異なることになっています。)

また、少年に関する法律を少年法と言いますが、少年法では少年の保護を目的として、「立ち直らせること」を重視しています。
そのため、凶悪犯罪以外の犯罪の審判は非公開で、原則として保護処分となるため、保護観察か少年院で対応することになり、具体的な刑罰が無いという特徴があります。
(保護処分とは、少年事件での通常の裁判における最終的な判断の呼び方で、少年法の場合は単純な刑罰の判断となりません。)

 

ただし、近年の社会の流れとして、凶悪犯罪について厳罰化している動きがあります。
そのため、刑事罰の適用年齢も16歳から14歳に引き下げ、犯罪について広く深く対処していくことになりました。

 

はたして、少年事件は今後も厳罰化するべきでしょうか。

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