6-10. 結局、公害ってなにを対策すればいいの?(日本の公害問題と環境保全)

【公害の概要(公害とは)】

あなたの家の近くで、下水道管を建設することに賛成ですか、反対ですか。

 

下水道管の建設自体は必要なことなのですが、悩ましい点もあります。
それは、典型7公害に該当する懸念があるということです。

典型7公害とは、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭の7つを指します。

下水道の建設を考えると、典型7公害全てが該当してしまう可能性があります。なお、公害は「人々の健康にダメージを与える」という意味で、思った以上に身近な問題です。

 

また、公害に関する有名な事例としては、足尾銅山鉱毒事件や四大公害裁判などがあります。

特に、四大公害裁判については、「イタイイタイ病/水俣病/新潟水俣病/四日市ぜんそく」の4つの公害裁判で、原告(住民)側が全て勝訴したというのがポイントです。
住民側が全て勝利して良かったね!という話ではなく、住民側が全て勝利しないといけないくらい公害がひどかったという話です。

 

しかし、これだけ公害の話をしても、下水道管の建設をしなければいけないこともあるでしょう。そのような場合に、反対派をどうやって説得するのかを考えます。

 

【政府の公害対策】

政府は、公害対策としていくつかのことを考えます。

 

1つは、「法律の制定」です。

公害対策ですので、公害対策に関する基本的な法律を作ろうと考えました。公害対策基本法です。
ところが、現在は公害対策に限定せず、幅広く環境問題に対応していこうというように法律が変わりました。これを環境基本法と呼びます。
つまり、「公害対策基本法がなくなり、環境基本法に変わった」というのがポイントです。

なお、環境基本法に変わるきっかけとなったのが「環境庁の設置」です。それくらい、日本が環境に力を入れだしたという話です。

ただし、環境基本法という抽象的なものだけだといけないので、環境について数値で示していくことを考えました。これを環境アセスメントと呼びます。
アセスメントは影響評価と訳し、数値で環境について評価していくことになります。

 

もう1つは「行政の対応」です。

行政は環境に対して様々な対策を行いますが、特に有名なのが「汚染者負担の原則」です。単純に、「環境を汚染した人が環境を回復させる費用を出そう」という発想ですね。
なお、Polluter Pays Principleの頭文字を取ってPPPと表現することもあります。要は、環境をお金で解決しよう、という話ですね。

 

あなたは、お金を渡して公害問題を解決することに賛成ですか、反対ですか。

 

【新しい公害】

公害については、典型7公害とは違う新しい公害も登場してきています。

 

例えば、ハイテク汚染と呼ばれる、先端技術産業などからの有害物質が話題となっています。

 

また、都市部では都市公害なども話題です。
田舎と違って都会はビルが多いため、自動車の排ガスなどがたまりやすいという特徴があります。

 

さらに、ダイオキシンなどの有害物質、放射能汚染(福島第一原発事故)などの問題なども公害として話題です。

 

そして、近年は産業公害や消費生活公害と呼ばれる公害、アメニティ(環境の快適性)の悪化なども話題となります。

 

【公害における近年の視点】

公害における視点で、特に重要なものに「循環型社会」というキーワードがあります。
そのため、日本としても循環型社会を実現するため、循環型社会形成推進基本法が形成されていますが、
そもそも、「循環型社会」とは、どのようなものを指しているのでしょうか。

 

ここでの循環型社会は「3つのR」だと思って下さい。

「3つのR」とはリデュースreduce/リユースreuse/リサイクルrecycleのことで、それぞれの言葉の頭文字を取って「3つのR」と呼びます。

 

突然ですが、リデュース・リユース・リサイクルという3つの優先順位は、どのようになるでしょうか。

3つとも大事なのですが、この3つには優先順位が決まっています。

 

1番大事なのはリデュースです。
リデュースは「ゴミを減らそう」という考え方です。
当然ですが、ゴミが減ればリユースやリサイクルの必要がなくなります。

 

次に大事なのがリユースです。
リユースは「繰り返し使おう」という考え方です。
モノを繰り返し使うことで、ゴミを出さずにすむという考えです。

 

そして、3番目に大事なのがリサイクルです。
リサイクルは「出てきた資源を活用していこう」という考え方です。
でも、リデュースやリユースがしっかりしていれば、リサイクルは必要ないですね。

 

このように、循環型社会は「リデュース(減らす)→リユース(再使用)→リサイクル(資源活用)」と順番が決まっています。

 

なお、ゼロ・エミッション(廃棄物ゼロを目指す)や環境会計(環境負荷や環境保全の費用と効果の把握)も近年の視点として注目されています。

他にも経済的措置として環境税排出権取引の導入などによる外部不経済の内部化(公害などの外部不経済のコストを最初から商品や税金などに導入することで外部不経済をなかったことにする)や、
自然と共生して新しい地域の発展を目指す考え方なども生まれています。

 

公害は様々な視点から考えていく必要があるのですが、公害問題について、私たちはどう考えていく必要があるのでしょうか。

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