4-13.【要点まとめ】 日本銀行の役割と金融政策について

【日本銀行の役割と目的】

その国に1つだけ存在する銀行を中央銀行と呼びます。日本の場合は日本銀行です。

 

この日本銀行には、3つの役割があります。

1つ目は、政府の銀行です。これは、日本政府のお金の管理をしているのが中央銀行という単純な話です。

2つ目は、(唯一の)発券銀行です。これは、紙幣を発行できるのが日本銀行のみという話です。

3つ目は、銀行の銀行です。中央銀行は民間の銀行とやり取りをするという話です。ポイントは、民間銀行は家計や企業とやり取りをしますが、中央銀行は家計や企業とやり取りをしない、という部分です。中央銀行は民間銀行としかやり取りしないので銀行の銀行ですね。

 

次に、中央銀行の目的ですが、これは1つだけで、「物価と景気の安定」です。経済のルールとして、「物価を急激に上げすぎると、その国の経済がおかしなことになる」ということが分かっています。そのため、中央銀行は物価と景気を急激に上げすぎるのではなく、日本銀行が政策を打ちながら、物価と景気をゆるやかに上昇させることが求められます。この、ゆるやかな上昇を「安定」だと考えてください。そして、安定させるために日本銀行が行う政策を金融政策と呼びます。

 

【日本銀行の金融政策】

金融政策を行う際の公式として、「世の中の通貨量を増やすと好況へ向かい、世の中の通貨量を減らすと不況へ向かう」があります。

世の中に出回るお金が多ければ、企業や家計の手元に残るお金が増え、お金を使おうと考えるようになる、という理論です。

また、日本銀行は「銀行の銀行」なので、民間銀行としかやり取りができません。また、好況へ向かわせるためには世の中の通貨量を増やす必要があります。そのため、「紙幣を発行してできる限り民間銀行のお金の量を増やす」必要が出てきます。そのための政策を金融政策と呼び、政策は全部で3つあります。

 

1つ目は、預金準備率操作です。

銀行は利子の獲得のためにできるだけ多くのお金を貸そうとしますが、銀行はなにかあったときのために少しお金を手元に残しておく必要があります。その、手元に残しておくお金の割合のことを預金準備率と言います。この、預金準備率を日本銀行が設定する金融政策を預金準備率操作と言います。

預金準備率は下がったほうがたくさんお金を貸し出せて、世の中の通貨量が増えるため、好況へ向かいます。逆に、預金準備率が上がったほうがたくさんお金を貸し出せなくなるので、不況へ向かうことになります。

 

つまり、「預金準備率を下げる=好況へ向かう/預金準備率を上げる=不況へ向かう」ということになります。

 

2つ目は、公定歩合操作です。民間銀行が日本銀行に返すときの金利を調整する政策公定歩合操作と言います。

つまり、「公定歩合を下げる=好況へ向かう/公定歩合を上げる=不況へ向かう」ということになります。

 

 

3つ目は、公開市場操作です。民間銀行が持っている株や債権を日本銀行が買うことで、民間銀行のお金を増やそうと考えたわけです。逆に、日本銀行が持っている株や債権を民間銀行に売ることで、民間銀行が持つお金を減らすことができます。日本銀行が株や債権を買う操作を買いオペと言い、日本銀行が株や債権を売る操作を売りオペと言います。

 

つまり、「日本銀行の買いオペ=好況へ向かう/日本銀行の売りオペ=不況へ向かう」ということになります。

 

【近年の金融政策】

日本銀行が行う3つの金融政策を昔から考えられていた伝統的な金融政策と捉えて、近年の金融政策を別名で非伝統的金融政策と呼ぶことがあります。

1つは、ゼロ金利政策と呼ばれるものです。銀行同士のコールレートをゼロにするというものをゼロ金利政策と言います。

2つめは、量的緩和政策です。大規模な買いオペで通貨量を増やすことを量的緩和政策と言います。

3つめは、インフレターゲットです。インフレの目標を設定して、わざと物価上昇をさせていくことで景気上昇に持っていこうという考え方を指します。なお、日本銀行は2013年にインフレターゲットを導入し、消費者物価の2%上昇を目標としました。

4つめは、マイナス金利政策です。民間の銀行は多くの現金を手元に置いておくわけにはいかないので、現金の一部を預金として日本銀行に預けています。この預けているお金が世の中にたくさん出回れば、景気が良くなると考えました。そこで、現金を日本銀行に預けておいた場合に預けていたお金が減っていくように金利を設定しました。この金利をマイナス金利と呼びます。

注意すべきは、ゼロ金利政策とマイナス金利政策は全くの別物であるということです。

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