1-6.【要点まとめ】 世界の政治体制について

【大統領制(アメリカの例)】

アメリカは厳格な三権分立を実現させています。ここでの三権は「大統領」「議会」「裁判所」を指します。ちなみに国民は、議会の議員と大統領を選ぶ人の両方を投票で決定します。
つまり、間接的ではありますが大統領も国民が選ぶことになるわけです。

また、大統領は教書送付権法案拒否権の2つを持っています。(そのため、大統領は法案を提出する権利は持っていません。あくまでも教書を通して意見を言うことと、法案を拒否するという2つの権利しかありません。)

 

【アメリカの現在の政治制度(システム)】

アメリカの大統領制は、3つのシステムに注目する必要があります。

1つめは「政党」についてです。アメリカは共和党民主党二大政党制を採用しています。2024年現在は民主党のバイデン大統領ですが、2025年から共和党のトランプ大統領になります。
(ちなみに、共和党は小さな政府で伝統を重視する、民主党は大きな政府で福祉や人権を重視する、という特徴があります。)

2つめは「議会」についてです。議会は上院と下院に分かれ、上院は各州2名、下院は各州の人口に比例して議員数が決定するという特徴があります。
また、議会は条約の締結を行ったり、大統領の弾劾権(大統領をやめさせる権利)を持っていたりします。(ただし、大統領の不信任決議の権利は持っていません。

3つめは「大統領」についてです。アメリカの大統領は任期4年で三選禁止(2期連続までしか大統領になれない)とされています。また、大統領の決め方は「大統領選挙人による勝者独占方式」ということが言えます。「大統領選挙人が大統領を選ぶ」という意味では間接選挙ですが、大統領を誰にするかを州民が意思表示できるという意味では、大統領をアメリカ国民が選んでいるとも言えそうです。
(日本は、内閣総理大臣を決める人を日本国民が選ぶ、というような制度はありません。)

 

【議院内閣制(イギリスの例)】

イギリスは、議院内閣制の代表的な国とされます。議院内閣制は議会と内閣が連帯責任を負う制度であると言えます。
そのため、もし内閣が議会からの信任を失った場合、内閣は「総辞職」か「議会を解散する」かのどちらかを選択し、議会と内閣の関係をリセットします。
 それだけ、議会と内閣と信頼しあっているので、国のリーダーは国民が決めるのではなく、国会議員の中から国会が指名をします。

ちなみに、日本も議院内閣制の代表的な国の1つです。日本の場合は、内閣総理大臣は国会議員であり、国会に指名された人が内閣総理大臣になっているという意味で、内閣と国会がお互いに信頼しあって、連帯責任を取るようにシステムが作られています。

 

【イギリスの現在の政治制度(システム)】

イギリスの場合は、議院は上院と下院に分かれていて、下院優位の原則があります。

イギリスの上院は貴族院に近いものがあり、国民が選ぶわけではありません。
一方で下院だけは国民が選ぶことになるので、より下院優位の原則が重要になるわけです。
それだけ下院優位の原則を重視するのは、上院という議員集団の暴走を防ぐ(国会議員が他の国会議員を抑える)狙いがあるからだとされています。
そのため、首相は下院第一党の党首が担うとされます。(なお、首相は国王が任命します。日本の首相の任命は天皇ですね。)

また、イギリスは労働党と保守党の二大政党制を採用しており、野党は政権交代に備えるために影の内閣(シャドーキャビネット)を作るのも特徴です。

そして、イギリスは議院内閣制が強いため、内閣の国務大臣は全員が国会議員を兼任します。
(日本の国務大臣は過半数が国会議員を兼任します。)

なお、司法について、イギリスは上院から独立した最高裁判所を設立していますが、違憲審査権はないとされています。

  

【民主集中制(中国の例)】

民主集中制とは、国家の運営を国家が計画的に管理するしくみです。中国の場合は、共産党の独裁による運営となっています。独裁と聞くとイヤな気持ちになるかもしれませんが、2024年現在はGDPが世界第2位にまで登りつめてくるくらいになりました。これは、中国は優秀なリーダーが続いていることも影響として考えられるのかもしれません。

なお、中国での国権の最高機関は全国人民代表大会だとされます。この組織が中心となって、話し合いの内容がまとめられます。

 

ちなみに、政治体制には開発独裁と呼ばれるものもあります。これは、軍事政権などで人権が無視される政治体制で、現在も複数の国で採用されています。

 

【フランス・ロシア・ドイツの政治システム(2つの制度の並存)】

その他の国の政治制度として、フランス・ロシア・ドイツに注目します。ポイントは、「3カ国とも大統領制+議院内閣制の両方を採用している」という点です。

フランスは大統領の権限が強いとされています。そこで、大統領と首相は別の政党にしようという考え方があり、これをコアビタシオン(保革共存政権)と呼びます。保守の考え方と革新の考え方の両方を共存させています。

ロシアは、議会に大統領の弾劾決議権を認めています。

ドイツは、政治の中心を首相に任せています。そのため、大統領は象徴的存在となっています。

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