お金は好きですか。
多くの人はお金が好きなはずです。でも、なぜお金が人々は好きなのでしょうか。そもそもお金とはなんなのでしょうか。
【お金とは】
人々が普段使うお金は、一般的に通貨と呼ばれます。通貨とは世の中に流通する貨幣を表します。なお、貨幣は硬貨と紙幣の足し算です。
なぜ、わざわざ硬貨と紙幣を分けて考える必要があるのでしょうか。
それは、硬貨と紙幣を造っている組織が違うからです。硬貨は財務省が、紙幣は日本銀行が発行しています。
【お金にはどんな機能(役割)があるのか】
お金には大きく4つの機能がありますが、その機能を知るのにはお金がない時代を考えるのが有効です。
お金がない時代は、欲しいものを手に入れるために、物々交換という制度を利用していました。そんな物々交換の問題点とはなんでしょうか。
問題点の1つは「物々交換だと欲しい商品の獲得が難しい」という点です。
そもそも物々交換は相手が欲しいものを準備しないと成立しません。ということは、お互いがお互いのモノを欲しいと納得している状況で無いと成立しない難しさがあります。だとしたら、そのモノに価格をつけてしまえば、お金という道具で商品を手に入れることができます。このような、商品の価値を価格で表すというお金の機能を価値尺度と言います。
また、もう1つの問題点に「物々交換したい商品が腐る可能性がある」という点です。
逆にお金の場合はお金それ自体が腐ることはありません。つまり、お金は蓄えることができるという機能を持ち合わせています。これを価値貯蔵手段と言います。
さらに、お金はモノやサービスと交換できるため、交換手段を持っていたり、借金などの支払いにお金を使うことができるため、支払い手段も持っていたりするとされています。
【お金の価値は誰が保障してくれるのか(通貨の歴史)】
日頃使っているお金は、1つ大きな問題があります。それは「お金の価値は誰が(何が)保証してくれるのか」という疑問です。
なにげなく使っているお金ですが、紙幣などは海外へ持って行けばただの紙切れと同じです。そこで、お金の価値を世界共通で保証したいと考えました。当時、世界共通で価値があると思われるモノが金(gold)でした。
つまり、「金と自国のお金を交換できる」という形でお金の価値を保証しました。このような、金がお金の価値を保証する制度を金本位制と言います。金本位制は金とお金を交換できることが前提であり、そのようなお金を兌換紙幣と呼びます。
そのため、海外のお金を入手した場合、そのお金が金と交換できるということで価値を保証することになります。例えば、「金1gとアメリカの1ドルが交換できる」ことと「金1gと日本の360円が交換できる」ことが分かった場合、1ドルと360円の価値が同じであることがわかります。
ただし、この制度には大きな問題が1つあります。それは「金がないと自国のお金を増やすことができない」という点です。(その国が金を持っていないのに通貨を発行しても、結局は金と自国の通貨を交換できないため、そもそも通貨としての価値がないわけです。)
ところが、先ほどの例で言えば、金を経由しなくても1ドルと360円に同じ価値があるのであれば、それぞれのお金には価値があるとみなして、1ドル=360円で交換して良いのでは?と考えるようになり、金を根拠とせずにお互いの信頼によって自国の通貨と他国の通貨を直接交換できる制度となりました。これを管理通貨制度と言います。要は、金と交換せず、お互いに「お金にはこれくらいの価値があるよね」と信用することで各国がお金を発行するシステムです。そのため、現在は紙幣を金と交換できないことから、現在流通している紙幣を不換紙幣と呼びます。なお、日本の場合はこのシステムで紙幣を発行する役割を担うのが日本銀行です。
つまり、現在の世界各国の通貨の価値の保証は「その通貨にはこれくらいの価値があるよね」というお互いの信頼関係によって成り立っているということになります。
【お金にはどのような種類がいくらくらいあるのか(通貨の種類と信用創造)】
お金は大きく2種類に分かれます。1つが現金、もう1つが預金です。現金は財布に入っているお金のこと、預金は通帳残高だと思って下さい。また、現金と預金の合計をマネーストックと呼びますが、お金の種類としてはそれ以外にも準通貨(定期預金&外貨預金)や譲渡性預金などがあります。
お金の流れは大きく2種類あります。1つは「日本銀行から金融機関への流れ」、もう1つは「金融機関から企業や家計への流れ」です。企業や家計は現金や預金という形で保管することになるので、「金融機関から企業や家計への流れ」をマネーストックととらえることもできます。そのため、一方で「日本銀行から金融機関への流れ」をマネタリーベースととらえると考えてください。
では、日本では現金と預金のどちらのほうがいくらくらい多いのでしょうか。
2024年現在の日本の現金は約100兆円、預金は約700兆円あると言われています。なぜ、預金のほうが圧倒的に多いのでしょうか。
それは、銀行が信用創造で預金を増やしているからだとされます。
【信用創造とその計算】
多くの人は、現金を手元に置いておくと盗まれる危険性があること、銀行に預けておくことで少し利子を銀行からもらえることなどから、多くの人は銀行にお金を預けます。
ところが、現金を預かった銀行はなるべく多くのお金を個人や企業に貸し出そうとします。(本当は預けてもらったお金を全て貸し出したいのですが、それをしてしまうと銀行からお金を引き出したい人にお金を渡せなくなってしまう心配が考えられるため、全ては貸し出しません。)
それは、銀行が儲ける方法の1つが利子の獲得だからです。そうすると、お金を借りた個人や企業は再び別の銀行にお金を預けることになるでしょう。
すると、預かった銀行は別の個人や企業に貸し出しを…ということを繰り返すことになります。
A社が100万円をア銀行に預け入れた。その後ア銀行は手元に10%のお金を残して90万円をB社に貸し出した。B社は借りた90万円をイ銀行に預け入れた。その後イ銀行は手元に10%のお金を残して81万円をC社に貸し出した。C社は借りた81万円をウ銀行に預け入れた。…という繰り返しが発生する。
このような事例が発生すると、A社とB社とC社の通帳残高の合計が(100万円+90万円+81万円で)271万円となっていますが、当初の現金は100万円しかありません。このような通帳残高が増える銀行の動きを信用創造と言います。
では、信用創造でどれくらいの預金が増えるのでしょうか。
先ほどの例でいくと、預金は1000万円まで増えるとされています。なぜでしょう。
それは、信用創造は「本源的預金÷預金準備率=預金総額」という計算式があるからです。
本源的預金とは、最初のお金を表します。
預金準備率は手元に残しておくお金の割合を表します。
先ほどの例は、本源的預金が100万円、預金準備率が10%ですので、100万円÷10%で1000万円となります。なお、預金総額から本源的預金を引くことで、信用創造によっていくら預金が生み出されたのかが分かります。先ほどの例では、1000万円から100万円を引いた900万円が信用創造額となります。
信用創造のポイントは、大きく2つです。1つは「銀行が貸出を繰り返すことで、銀行全体で最初の現金の何倍もの通帳残高になる」こと、もう1つは「預金準備率を下げると預金総額は増える」ことです。
ちなみに、なぜそんなに信用創造が大事なのでしょうか。
それは、信用創造を通して預金通貨を増やすことで、経済が元気になり、信用創造で預金通貨を増やすことで、多くの人がお金を借りられて助けられるようになるからだと言われています。