4-4. 経済主体とは?家計・企業・政府と所得・利潤のしくみ

もし明日、突然人々が買い物をやめたらどうなるでしょう。
企業は商品やサービスが売れず、給料は出しにくくなり、税収も減って、公共サービスにも影響が出ます。

この「家計・企業・政府のつながり」を、入試レベルで一気に言語化するのが”経済主体”です。

政経では、
・経済主体
・生産の三要素→所得
・利潤の公式
までまとめて扱われます。

この記事では、経済主体とお金の稼ぎ方について、体系的に理解できます。

 

【経済の中心となる存在とは】(3つの経済主体:家計・企業・政府)

経済活動の中心的存在となるのはなんなのでしょうか。

 

経済活動を行う中心の存在となるのは大きく3つで、経済の3主体と呼ぶことがあります。

 

経済主体①:家計(消費する側)

経済の3主体の1つめは家計です。

個人や家族などのような普段生活する一般市民を想像してください。
この、普通に生活する人々が経済活動を行う場合、その方法は「お金を使う」ことです。当然ですが、人々がお金を使うことで経済は活性化されます。

なお、人々がお金を使うことを経済の世界では消費と呼びます。
つまり、家計は消費をすることで経済を動かしていることになります。

 

経済主体②:企業(生産する側)

ただし、消費をする人がいるということは、お金を使いたいと思わせるモノやサービスを生産をする人もいることになります。
しかし、個人レベルで大量かつより多くの人々へ向けて生産をするのはちょっと難しく、現実的ではありません。そこで、生産という形で経済に関わる経済主体も存在します。

生産によって経済を動かす経済主体を企業と呼びます。

 

経済主体③:政府(調整する側)

そして、家計と企業がお互いにやり取りをするだけでも経済活動は行われるのですが、より効率よく、よりスムーズに、よりトラブルなく経済活動が行われたほうがお互いにとって幸せです。

そこで、家計と企業の間を調整する役割を持つ経済主体もあり、それを政府と呼びます。

 

つまり、家計・企業・政府の3つを経済主体としてまとめて呼びます。

そして、3つの経済主体がお互いに様々なやり取りをしながら、あらゆるところで経済活動が日々行われています。

 

なお、家計が消費するためには収入が必要です。企業が生産するためには、生産の元手となるお金を稼ぐための儲けが必要です。

 

では、どうやって家計や企業はお金を稼ぐのでしょうか。

 

【家計が所得を得るしくみ】生産の三要素→賃金・利子・地代

家計がお金を稼ぐ方法は基本的に大きく3つです。

 

稼ぐ方法①:労働力の提供→賃金の獲得

1つは「働く」ことです。

企業に就職し、自分の時間と能力を提供することでお金をもらうことになります。
このときの家計が提供する要素を労働力と言います。
そして、労働力の提供によって家計がもらえるお金を賃金と言います。

 

稼ぐ方法②:資本の提供→利子の獲得

2つめは「お金を貸す」ことです。

企業にお金を貸すことで、「お金を貸してくれてありがとう」という意味で少し多めにお金を返してもらえることがあります。
このときの企業に貸すお金を「資本」と言います。
そして、資本を提供することで家計がもらえるお金を利子と言います。

 

稼ぐ方法③:土地の提供→地代の獲得

3つめは「土地を貸す」ことです。

お金と同じで企業に土地を貸すことで、「土地を貸してくれてありがとう」という意味で少し多めにお金を返してもらえることがあります。
このときに家計がもらうお金を地代と言います。

 

つまり、家計は労働力資本土地の3つを駆使することでお金を稼ぐことになります。

なお、労働力・資本・土地の3つを生産の3要素と呼び、家計は生産要素を企業に提供することでお金を稼ぐことになります。

また、家計が稼ぐ賃金利子地代を中心とした収入をまとめて所得と呼びます。

 

このように考えると、一方で企業は家計に賃金・利子・地代を払う側になることが分かります。

多くのお金を払ってまで企業はなにをしたいのでしょうか。

 

企業の目的 = 「利潤」を追求すること

企業がやりたいこと(企業の目的)はたった1つで、それは利潤追求です。
簡単に言うと儲けを増やしたいという目的です。

「社会貢献など他にも企業の目的はあるのでは?」と考えるかもしれませんが、企業は社会貢献などの目的があったとしても、お金を稼げなければ倒産してしまい、社会貢献などの目的も達成できません。
いろいろとキレイごとはあるかもしれませんが、利潤追求は避けて通れません。
(利潤追求をせずに社会貢献するならボランティアという方法も十分に考えられます。)

つまり、企業は賃金・利子・地代などを払ってでも儲けが増えればそれでOKというわけです。

▶利潤追求が“資本主義の特徴”にどうつながるかまで深めたい方はこちら(資本主義は本当に「正解」のシステムなのか(特徴3つ・問題点3つ・成立の歴史))をご覧ください。

 

では、企業は利潤をどうやって増やせばいいのでしょうか。

 

【貯金や利潤の計算方法】

日本の20代の貯金額は平均でいくらなのでしょうか。

令和4年度の調査によると、平均額は176万円だと言われています。
(なお、20代で貯金額がゼロの人は、約4割程度だと言われています。

 

日本の若者の多くは、貯金が少ないという現状がありますが、そんな貯金が少ない人たちを含めた多くの人々が貯金を増やすためにはどうすればいいのでしょうか。

 

人々が貯金を増やす方法(家計の視点): 貯蓄=所得-消費

人々が貯金を増やす方法は大きく2つです。

1つは所得(収入)を増やすことです。できる限り収入を増やすことで貯金が増えることが考えられます。

もう1つは消費を減らすことです。収入が少ないとしても、使うお金が少なければ結果的に貯金が増えることになります。

つまり、「収入を増やす」か「消費を減らす」かという選択によって、貯金が増えるわけです。
ここから「所得-消費=貯金」という計算式が成り立ちます。

 

会社が利潤を増やす方法(企業の視点): 利潤=売上-費用

この考え方と同じように企業も考えると、企業が利潤を増やす方法は商品を販売して売上を増やすか、できるだけ企業の経営に関わる費用を減らすかのどちらかだと考えられます。

つまり、企業の場合は「売上-費用=利潤」という計算式が成り立ちます。

 

では、具体的に企業はどうやって売上を増やせばいいのでしょうか。

▶売上を増やすカギの1つは”需要と供給”です。需給関係と売上について理解したい方はこちら(「需要」と「供給」から売上を増やすための方法を理解する(市場経済のしくみ))をご覧ください。

【売上を増やす4つの企業活動】(R&D・設備投資・広告・資金調達)

企業は大きく4つの活動を通して、売上を増やそうと考えます。

 

活動①:研究開発

1つめは研究開発(R&D)です。

企業は新しい商品やサービスを開発し、その商品やサービスを販売することで売上を増やしていきます。
だとしたら、そもそも商品やサービスを研究して開発することが必要になります。(R&DはResearchとDevelopmentの頭文字をとったものです。)

 

活動②:設備投資

2つめは設備投資です。

商品やサービスを実際に作れるとなったら、大量に効率良く生産することでさらに売上を増やすことにつながります。
だとしたら、設備を拡大することが必要になると考えられます。

 

活動③:広告宣伝

3つめは広告宣伝です。

企業が商品やサービスを作成した場合に、商品を知ってもらうことでより商品を多く買ってもらえるようになると考えられます。
SNSやテレビなどの広告を利用することが考えられます。

 

活動④:資金調達

4つめは資金調達です。

商品の開発も、設備の拡大も、広告宣伝も、全てお金が必要です。
そのために企業は様々な方法を用いてお金を集めます。このお金を集める方法を資金調達と言います。

 

▶資金調達について詳しく理解したい方はこちら(資金を融通するために考えるべきこととは(金融と金利について))をご覧ください。

 

なお、4つの活動にかかるお金を費用と呼びます。

つまり、企業は、研究開発・設備投資・広告宣伝・資金調達の費用をおさえつつも、4つの活動の内容を充実させて売上を増やすことで、儲けを増やしていくことになるわけです。

 

※参考:経済主体(家計・企業)の簡単まとめ

〈1. 経済主体〉
経済を動かす中心は【家計・企業・政府】の3つ。

〈2. 生産の三要素〉
家計は企業に【労働力・資本・土地】を提供する。

〈3. 所得〉
生産要素の対価が【賃金・利子・地代】で、これらをまとめて【所得】。

〈4. 企業の目的〉
企業は倒産せずに活動を続けるため、基本は【利潤追求】が軸になる。

〈5. 頻出公式〉
・家計:貯蓄=所得-消費
・企業:利潤=売上-費用

〈6. 売上を増やす4活動〉
研究開発・設備投資・広告宣伝・資金調達で売上を伸ばし、利潤を増やす。

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