近年、地球的問題群という視点が話題になっています。これは、国境をこえて人々の生活を脅かす諸問題のことで、新型コロナウィルス感染症が地球的問題群の話題を一気に盛り上げさせています。そんな地球的問題群で、最近注目が集まっているのが人口の理論についてです。
【地球的問題群と人口(前提)】
現在、世界の人口は世界全体の平均で約1%ずつ増えていると言われています。ところが、多くの先進国は人口減少に悩んでいます。逆に、発展途上国は1%以上の人口増加を見せており、すごい勢いで人口が増えることによる問題も発生しています。
そのため、人口については「先進国」と「発展途上国」のそれぞれで考える必要があります。
【先進国の人口問題】
先進国は、少子高齢化が進行しています。特に日本の場合は、急激な人口減少と急激な高齢化が進んでおり、他の国が経験していないほどの速度で進行していると言われています。
そのように、高齢化が進行することによって生じる大きな問題の1つが労働力不足です。働き手が減ることで、企業の衰退や倒産など、経済面での悪化が考えられます。
また、少子化が進行すると自治体維持も難しくなるでしょう。その地域の人口が減少することで自治体の収入も少なくなり、充実した公的サービスの提供も難しくなります。この公的サービスを社会保障とも呼びますが、社会保障の維持も難しくなります。
ちなみに、少子化の要因は多くありますが、要因の一例として、非婚化や晩婚化の進展、女性の社会進出などだと言われます。これは、女性が自立して様々な選択ができるようになり、あえて結婚する必要がなかったり、自身のキャリアを考えて結婚を後回しにしたりするというポジティブな見方ができます。
しかし、逆をかえせば、女性が社会進出して稼いでいかないといけないくらい経済面で苦しかったり、お金がないので結婚や出産を諦めたりしているというネガティブな見方もできます。
つまり、少子高齢化は女性が出産をポジティブにとらえられるような解決策が必要というわけです。
少子化の解決の視点の1つに合計特殊出生率の上昇があげられます。これは、「1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の平均」ですが、この数字が約2.1を下回ると人口減少に向かっていくと言われています。現在の日本は、2024年で1.15となる予想が出ています。
【発展途上国の人口問題】
発展途上国は人口が爆発的に増えています。そのため、発展途上国の人口の増え方を人口爆発と表現します。
人口爆発の問題点の1つに、雇用の問題があげられます。人口爆発で人口が増えても雇用がないと収入を得ることが難しくなります。そのため、発展途上国では人口が増えることによって貧困も増加していると言われています。
また、食料や水不足などの問題も指摘されています。当然人口増加に食料や水が追いつかないと、生活が苦しくなることは容易に想像できます。なお、現在は可容人口(地球が収容可能な人口の数)を超え、地球が限界を迎えるのではないか、という指摘もあります。さらに、マルサスという人は『人口論』という本で人口増加はいずれ食料の生産量を追い越すことを考え、指摘しています。(食料は等差数列的に増え、人口は等比数列的に増えることを指摘しています。)
なお、人口爆発の要因の例として、貧困や教育不足などがあげられることがあります。そのため、貧困解決の手助けとして、国連人口基金の活用が考えられます。また、収入を増やすという意味でも、労働環境の確保や教育水準の向上などが検討できるでしょう。さらに、教育不足を解決できるよう、教育の機会を確保することも考えられます。
そこで、近年は「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」の考え方が出てくるようになりました。日本語で性と生殖に関する健康と権利と呼ばれます。リプロダクティブは再生産という意味ですが、転じて性と生殖という意味で取られます。また、ヘルスは健康、ライツは権利なので、このような日本語が出てきました。要は、女性の考え方の推奨もすすめてきいきましょう。という話ですね。
このように、少子高齢化や人口爆発について様々な解決策が考えられますが、もう1つの解決策の話題として「偏り」が注目されています。
人口は先進国で減って困っており、発展途上国で増えて困っています。つまり、人口が特定の地域に偏っているわけです。だとしたら、人口の偏りを解消することで、先進国も発展途上国も人口問題がある程度落ち着くのかもしれません。