中国の物事の考え方の根本とは

中国では、諸子百家とよばれる、中国思想の中心になる人達の活躍が見られました。その中でも、特に注目されたのが孔子という人物です。

 

【孔子の思想(儒家思想)】

“ 最近「相手を思いやった」経験は、なにがあるでしょうか。”

 

この質問に対して、自分の経験を棚卸ししたときに、どのような解答を考えることができたでしょうか。

中国では、孔子という人の儒家思想がとても大切にされました。

孔子は、儒家思想の根本を「」と「」としました。仁は「相手を思いやる心のこと(内面的)」で、礼は「仁の具体的な実践(外面的)」を指します。つまり、孔子は相手への思いやりの気持ちを持って、実践することが大切であり、根本的な思想であるとしました。

 

 

【孔子の派生(孟子と荀子)】

“いじめを未然に防ぐ方法は、なにが考えられるでしょうか。”

孔子の考え方の後継に、孟子荀子という2人の人がいます。

孟子は「性善説(人は生まれながらに善い心を持っている)」を提唱し、荀子は「性悪説(人は生まれながらに悪い心を持っている)」を提唱しました。

もしいじめを未然に防ごうとするならば、孟子は「生まれながら善い心を持っているのならば、その善い心を教育しよう」と考えます。また、荀子は「生まれながら悪い心を持っているのならば、ルールを作って悪い心を縛っていこう」と考えます。

そして、さらなる派生として朱子王陽明の2人が出てきました。

朱子は、「心は理性でコントロールできる」と考え、王陽明は、「自分の心を保つには経験あるのみ」と考えました。

 

 

【老子や荘子の思想(道家思想)】

老子荘子は、道家思想を提唱しました。道家思想の中心は「大道廃れて仁義あり」です。この言葉は、ぜひ注意しましょう。

仁義とは「人が進むべき道」のことです。道家思想では、人が進むべき道が誰かに決められているのはどうなのか?という発想になりました。むしろ、決められた道ではなく、ありのままに生きるほうがよいのではないか?と考えていたわけです。ありのままに生きる(無理をしない)ことを「無為自然」と呼びますが、無為自然(≒大道)がなくなったので仁義が発生したと考えています。

つまり、道家思想では「仁義を否定して、無為自然を推奨した」わけです。もう少し言うと「無為自然が無くなったから、仁義が発生した」という皮肉を「大東廃れて仁義あり」と表現しました。事前に示されているヘンに人が進むべき道を行くよりも、ありのままに生きることを推奨しているのが道家思想です。

孔子、孟子、荀子、老子、荘子の5人に注目しました。どの考え方が、今の社会に必要なのでしょうか。

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