【地方自治の現状】
現在の地方公共団体(都道府県+市町村)は、地方独自の自主性が強化されています。
その理由は、国の財政が苦しく、国が地方を助ける余裕がなくなってきたからです。
つまり、「国では助けられないから各地方自治体が自分達で頑張ってね」というのが国のスタンスです。
その結果、各地方公共団体の地方財政も苦しくなっています。
(近年は「消滅可能性都市」という言葉も出てくるようになるくらい、地方財政が苦しい状況になります。)
では、地方の自主性を強化することになった要因はなんなのでしょうか。
それは、地方分権一括法という法律です。
この法律によって、機関委任事務(国が委任した事務)が廃止になり、自治事務(自ら実施する事務)と法定受託事務(法に基づき、国から地方に委任する事務)の2つを行うことになりました。
このように、法律の面からも自主性の強化が進められているため、地方独自でいろいろと頑張る必要が出てきました。
では、地方を盛り上げて元気にするためには、なにが必要なのでしょうか。
様々なアイデアが考えられますが、そのアイデアを実現して実際に地方を盛り上げるには、そのアイデアを実現するだけのお金がどうしても必要になります。
そのため、「アイデアを実現するお金をどこから集めてくるのか?」ということを考えなければなりません。つまり、お金の出所である財源を考える必要があります。
【地方の財源の現状と対策】
地方の財源は「三割自治」と表現されます。
これは、地方税など自分の自治体で用意できる財源(自主財源)が三割程度しかないために使われる用語です。(自主財源以外の財源を依存財源と呼びます。)
つまり、約7割は自分で準備できず、なにかしらの形で他に頼っていることになります。
では、依存財源としての残りは、どのような財源が使われているのでしょうか。
依存財源は大きく3つを確認します。
1つは地方交付税交付金、もう1つは国庫支出金です。この2つはまとめて補助金と呼ばれますが、国が地方に渡すお金のことです。
では、地方交付税交付金と国庫支出金はなにが違うのでしょうか。
地方交付税交付金は「使途が無い」とされます。(使い道が限定されていません。)
一方、国庫支出金は「使途がある」とされます。(使い道が限定されます。)
つまり、使途があるかないかの違いだと思って下さい。
なお、使途がない財源を一般財源と呼び、使途がある財源を特定財源と呼びます。
そのため、地方交付税交付金は一般財源の依存財源、国庫支出金を特定財源の依存財源ととらえることもできます。
(ちなみに、地方交付税交付金は「地方公共団体間の財源の差を調整し、どの地域に住む国民にも一定の行政サービスを提供できるよう財源を保証すること」が目的とされているため、使途がありません。また、国庫支出金は「地方公共団体の財政負担を軽減すること」が目的のため、お金の使い道を国が指定した上で渡すことになります。)
しかし、補助金に頼っても地方財政が不足する場合があります。その場合は、依存財源の3つめである地方債に頼ります。地方債は簡単に言うと借金のことです。つまり、地方は借金を財源の1つとして頼っているということになります。そして、地方債も特定財源の一種です。(将来的には住民の税金で返済するので、使い道が決まっている必要があるのです。)
[※参考:財源の分類のまとめ]
・依存財源…地方交付税交付金、国庫支出金、地方債
・一般財源…地方税、地方交付税交付金
・特定財源…国庫支出金、地方債
また、地方債が増え続けると、地方財政が限界を迎えてしまうことも想定されます。(実際に、北海道の夕張市は限界を迎え、財政破綻しました。このような財政破綻状態にある地方自治体を財政再生団体と言います。)そこで、財政破綻をしないよう、可能な限りの対策が必要になります。
【財源不足の対策】
対策の1つは、三位一体の改革です。
①地方交付税の見直し/②補助金の削減/③税源の移譲(国→地方)という3つの改革を行って、地方独自で頑張ってもらう方向に切り替えていきました。
この改革によって国からの補助金はなくなりましたが、税源も一緒に地方に移譲されているため、地方が頑張って税金を稼ぐことで地方を活性化できる可能性も含まれているとされます。
また、財源がないのであれば、他の市町村と協力することも考えられます。いわゆる市町村合併です。
なお、近年は市町村単位を超えて都道府県どうしが合併する道州制という考え方も登場していますが、道州制が実現した事例はまだありません。
このように考えていくと、地方は今後消えないためにも、どのようにして生き残っていけばいいのでしょうか。
〈※参考:財源の捉え方(4つの分類)〉
財源は、大きく2つの視点でとらえます。
1つは「自主財源か、依存財源か」という視点です。この2つは対立の関係にあります。
もう1つは「一般財源か、特定財源か」という視点です。この2つも対立関係にあります。
つまり、財源は「①自主財源の一般財源(地方税など)」/「②自主財源の特定財源」/「③依存財源の一般財源(地方交付税交付金)」/「④依存財源の特定財源(国庫支出金や地方債)」の大きく4つに分類することができるというわけです。